クリスマスが近くなって来ましたね。
僕が子どもの頃、近くのおもちゃ屋さんでヘビーローテーションでかかっていたクリスマス・ソングがありました。買いたくても買えないおもちゃの山を眺めながら、その曲をずーっと聴いていた、というか聞かされていました(笑)
今になって無性に聴きたくなったのですが、曲名がわからず右往左往していました。
わかっているのは、男性のボーカルであること、クリスマスっぽーい声質であること、鈴がシャンシャンいっていること、そしてメロディが
ドーレミーーーーーーーーーー
ドーレミーーーーーーーーーー
ドーレミーーーーーーーーーー
ドーレミーーーーーーーーーー
ミーーーレーーーファーーーミーーーソーファミドードードー
だということ。googleでも探しようがないし、何人か友達に聴いてもわからないと言う。
でも昨日のパーティーで元ルームメイトが曲を知っていて、おかげでそれがポール・マッカートニーの "Wonderful Christmas time"という曲だということがわかりました。
僕が聴いていたのは違うアーティストのヴァージョンだったので、ポール・マッカートニーだとは知りませんでした。
で、聴いてみたらやっぱり良かった!
記憶ってのは曖昧なもので、ドーレミーーだと思っていたメロディは実際は(ソ)ドーレミーーという感じでアウフタクト(弱起)から始まる曲でした。
クリスマス・ソングっぽい声質というのは、声を2〜3重に重ねてあるやつのことでした。
僕の耳を捉えただけあって、コード進行が、シンプルなメロディから真っ先に想像出来るものとはちょっとだけ違っていてそれが何とも気持ちいいです。もっとも、バークリーセオリーでハーモニーレベル2くらいで全部説明できるもので特別変わっているわけではないですが。
ポールすごいな。。
というわけでその曲をリピート再生してクリスマス・ムードを醸し出しつつ、やっと終わった今学期のレビューをしましょう。
【Histry of Western Music 2】 Tom Mcgah
ベートーヴェンから近代作曲家までのクラシック音楽の歴史を学ぶクラス。
フィルムスコアリング学科は必修とされていて、いやいやながら取った。
にも関わらず、とっても面白かった。Tom Mcgah先生は作曲家についての話をするとき、まるで自分がその作曲家になりきったように話すのがいい。全然退屈しなかった。
むしろ、もっと早く取っておけば良かったと思った。知識がちゃんとあるかないかで、他のクラスで先生が言っていることへの理解度も変わってくるし。
だけど、出席の付け方が甘いので後半からは何度も遅刻してしまった。。月曜9時はヤメテ。
3回あるテストは、テスト前日にそれぞれ数時間勉強しただけだが50人くらいいるクラスでトータルでトップを取れた。history1でBを食らったリベンジが出来た(笑)
【The Art of Modulation】 Alla Cohen
今回一番大変で、かつ勉強になった転調を学ぶクラス。
先生のキャラは強烈だが、ピアノを弾きながらどの調へも即興で転調していけるというように素晴らしいスキルを持った女性だった。
宿題が多かったが、クラシックのハーモニー進行の理解をより一層深めたと同時に、苦手だった転調への意識が吹っ飛んだ。
転調の理論がバークリーのジャズ理論のように非常に良くオーガナイズされており、誰がこんな風にしっかりと体系化したのかなあと思っていたら、どうやらチャイコフスキーが作曲家教授を務めていたロシアのモスクワ音楽院で作られた理論らしい。Allaはその大学で首席だった人だ。
本当はまだまだ奥が深いらしく、続編となる授業も開設できるように学校にお願いしているとのこと。でもまだそれは当分先になりそうで、もうすぐボストンを去る僕は取ることが出来ないのが本当に残念である。
授業のスピードが早く、ついていくのに必死だしプレッシャーだったが、頑張っただけあってクラスの中で多分最初から最後まで僕はベストなstudentであり続けられたと思う。
最後のテストの前に先生のオフィスアワーに質問しに行ったとき、「あなたは最高の耳を持っているし、私の中ではすでにA+の評価。次学期からあなたをhelp出来ないのが(クラスを持たないのが)残念だ」と、とても嬉しい言葉を言ってくれた。
プロジェクトはなく、毎回の宿題、そしてミッドターム、ファイナルにテストがある。
【FIlm Music Editing】 Eric Reasoner
Chronicleの仕事でお世話になった最高の先生Ericによる最高につまらない授業(笑)
Music Editorとしての仕事を学ぶクラスだが、なぜこれが必修なのかがよくわからない。
音楽のまだついていない映像に既存の音楽を当てはめるというTemp Trackの課題はまったくやる気がしなかった。
Pro Toolsを持っていないので学校で作業しなければならないのが×。
Temp Trackは曲探しも学校でやらなければならず、ファイナルの時期に意外に重くのしかかってきた。あげくの果てにあまり良い物は出来なかった。
【Scoring for Percussion】David Vose
結構楽しみにしていた、パーカッションの書き方を習う授業。
先生がLazyで必ず30分早く授業を終える。本で読めばわかることばかりだったのであまり価値のある授業とは思えなかった。
プロジェクトは音だしがあるものの、先生が演奏してくれるパート以外はクラスの学生が演奏するので難しい音は書けない。
毎回の宿題と、プロジェクトが3つ、テストが一回、ペーパーのレポートがひとつ。
それなりにやることは多い。
最後のティンパニのプロジェクトは先生がめちゃくちゃ気に入ってくれた。
【Scoring Application for Film】 Richard Davis
評判が二分されるRichardの、映像に音楽をつける授業。同時にミュージック・ビジネスについても勉強する。今学期のメイン。
Richardは確かにいい加減で気分屋なところがあるのだが曲に対するコメントが誰よりも的確。いい加減な人を基礎的なクラスで取ってしまうのは良くないが、自身の作曲がメインとなるクラスにおいては純粋に能力が高い先生ほど良いと思う。なので、Richardは僕にとってすごく良かった。
プロジェクトが3つ。そのうち2つは以前にここでもアップしたAliasとX-Files。もうひとつはフルオケで書くもので、全部のプロジェクトでスタジオでの生録音がある。
フルオケだけは無理なので3つの楽器だけ録音し、あとは打ち込み。
クラスメイトの曲を批判しあうフルボッコ大会は面白いのだが、クラスメイトでレベルが高いなと思える人が一人もいなかったのが微妙。アメリカ人ってありえないヘンテコなことを平気でやってのける。それが面白ければいいけど、全然workしてないのだ。
最後のプロジェクトは自分としては最後まであまり納得がいかなかったから今度こそフルボッコを期待していたのだけど、「いつもナオトの曲は本当の映画の曲みたいだ、もうハリウッド行ったら?」みたいなコメントが飛び出しよった。
すごく良く捉えると、自分の中でイマイチと思ってもなんだかんだでそれなりのレベルには持っていけいるようになっているのかもしれない。
でも、全然まだまだダメだということはわかっている。世界は広い。日本ですら広い。
ハリウッドでバリバリ働いて行けるレベルではもちろんないし、あとはもう自分自身で上を目指して行かないと。
【Application for 12-Tone】Jerry Gates
12音技法を使った作曲法を習った。
が、シェーンベルグの理論を使うのではなく、12-toneを調性の中で使うというようなちょっと変わった使い方ばかりを教わり、純粋な12-toneがやりたかった僕としてはあまり面白くなかった。
先生は甘く、何を書こうがAをくれそうな雰囲気。オーガナイズされた先生ではあったけれど、授業の内容がとにかく良くなかった。
最後のプロジェクトは、授業で習ったことはほとんど無視して自分が作りたいように作ってみた。
フィルムスコアリングの学生らしく、フィルムでありそうな感じにし、尺八的な吹き方をフルートでやってみた。
数時間でばばっと作ったので曲の構築の仕方が適当だけど、実験作として割と楽しんで作った。もっとヘンテコで不協和音だらけにしようと思っていたのだが、途中から調性を出したこともあり12音技法にしては割と聴きやすいものになった。
「berklee_7th_12tone_isnt_it_beautiful.mp3」をダウンロード
【Private Lesson】 Bob Winter
ジョン・ウイリアムズと一緒に20年近く演奏しているボストン・ポップスのピアニスト、ボブ先生の最後のプライベートレッスン。
そんなすごい人に教わっているというのに。。。ああ、悲しい。
書き物の授業に時間を取られ、練習はレッスンの一日前だけという感じになってしまった。
ピアノは上手くなりたいけど、今は作曲と比べて断然プライオリティが低いんだよなあ。
以上。
内容的にすごく良いものと悪いものが入り乱れていて変なセメスターだった。
けど作曲に関しては以前よりも納得のいくものが出来るようになってきたし、新しい課題もたくさん見えた有意義なセメスターだった。いっぱい勉強した。
次のセメスターはバークリーでの最後の学期になる。
フィルム関連はDirected Studyといって先生と一対一の授業で、ショート・フィルムに全曲音楽を書き、レコーディングする。日本でいう卒業制作のようなもので、それに多大な時間を割くことになる。それともうひとつ、打ち込み系音楽で映像音楽を作曲するクラス。
それからフィルム以外で楽しみなのはオーケストラのクラス。何と、外のスタジオで生レコーディングが出来る。なんて贅沢な。気合いを入れたいところだ。
とりあえずは休もう。
今日は風雅居という日本レストランに行っておいしいご飯を食べた。多分ボストンの中でここが2番目においしい日本レストランだ。
余談だが、このレストランのある建物の2階には、12音技法を発明したシェーンベルグの家族が住んでいたそうだ。
最近のコメント